2025
大阪・関西万博ロボットプロジェクト
アンドロイド「Yui」加賀友禅着物制作|2025
大阪・関西万博 シグネチャーパビリオン「いのちの未来」にて、加賀友禅の着物と輪島塗の装飾品をまとったアンドロイド「Yui」が展示され、世界に伝統工芸の魅力と能登復興への思いを込めた2着を制作させていただきました。
ロボットの着物は大阪の県木であり生命力の強さを象徴するイチョウ、能登の復興を願い、「復活」や「再生」のモチーフとして描かれる鳳凰をデザイン、生地の上を点状に置いていた無数の糊は、躍動感あふれる滝の水しぶきを表現しております。
緻密な模様を生み出す糊の製作工程には、金沢市の小学生14人に参加してもらい、もち米を原料にして一緒に制作しました。未来を担う子どもたちに、日本の伝統文化に触れてもらいながら、50年後の未来を思い描いてほしいと願っています。
着物は伝統的に男性用・女性用で多くの要素が分かれていますが、ジェンダーレスな「Yui」のコンセプトに合わせて、色柄はオリジナルで制作しました。
一部の染料には、金沢の桜から抽出した植物染料を使用しています。これは加賀友禅の組合で普及を進めている、手染めに適した天然染料です。白い生地を染めて柄をつくること自体が伝統的にある地域は非常に限られています。友禅染めを色んな文化の人に見て感じてもらってできればそのまま石川に来てもっと見たい、というような、そんな風になってくれればと思います。

©2025 電気通信大学 仲田研究室
友禅着物「羽音」
平和や幸福、再生を象徴する鳳凰は、大陸から伝わり正倉院宝物など日本でも古くから尊ばれてきたモチーフです。能登の復興と世の中の平穏を願い、その鳳凰を描きました。
世界最古の植物とされるイチョウ(大阪府の木)はジュラ紀から地球上に存在し、生命力の象徴でもあります。

©2025 電気通信大学 仲田研究室
友禅着物「青の祈り」
滝は、生命の根源を表し、永遠や豊かさを表すモチーフです。
パビリオン外観にも用いられる「水の流れ」は、当工房が得意とするテーマで、本作でも独自の技法で表現しています。
この技法で私が制作した着物作品は、第一回ロンドン万博の収益金で建てられた、イギリスの国立美術館 V&A(Victoria and Albert Museum) に、本年、永久収蔵されることとなりました。

©2025 電気通信大学 仲田研究室
〈掲載情報一覧〉
いのちの未来
https://expo2025future-of-life.com/
中日新聞
https://www.chunichi.co.jp/article/1051479
北國新聞
https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/1688623
https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/1707965
NHK
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kanazawa/20250331/3020023623.html
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kanazawa/20250412/3020023740.html
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20250413/3000040772.html
MRO
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/mro/1777050?display=1
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/mro/1835211