2023
Glass Yuzenギャラリー開設
かねてより準備を進めていた「Glass Yuzenギャラリー」を開設いたしました。加賀友禅の生地をガラスに熱圧着し、建築やインテリアなど多様な可能性を引き出した作品を展示しております。
当工房では加賀友禅の可能性を広げるため、店内装飾や洋装、商品パッケージなど異素材との融合にも先駆けて挑戦してきました。今回は「光」に着目し、LEDのバックライトを埋め込んだ室内装飾・装飾パネルを制作。手描き友禅の美しさを活かしつつ、耐久性や防汚性、退色防止にも配慮しています。これらの装飾は建築物や商業施設はもちろん、個人住宅などにも取り入れることが可能で、暮らしに彩りと潤いをもたらします。
是非「Glass Yuzenギャラリー」で新しい加賀友禅の表現をご覧ください。
手描き加賀友禅ガラスパネル「双響」|2023
「双響」は二人の作家の作風を融合させた作品です。毎田健治は身近で見過ごしてしまいそうな、小さな自然の持つ美しさを、大胆にデザイン化した着物を制作。 一方、毎田仁嗣は自然の豊かな水を幾何学的にとらえた作風を確立。
このパネルのモチーフとなる、アケビや滝がある現場に足を運びデザ インを構想。分業が一般的な友禅業界において全国的にも珍しい、工房内一貫生産にて職人チームと共に仕上げました。
ガラスと一体化させることで、紫外線による退色や汚れを抑え、手描き友禅の透明感を活かしたパネル装飾が完成いたしました。透過光を通して見るこの友禅の色は、友禅流しで水の中にある艶やかな色合いに似ています。
加賀友禅という日本の伝統工芸を、インテリアとして取り入れることで、より身近なものに感じていただけますと幸いです。


<制作の様子>








<Glass Yuzen 作品一部紹介>
○蔦(ツタ)
静かに風に揺れるような蔦の葉が、白と青の濃淡で美しく描かれた一枚。画面を流れるように広がる葉の連なりが季節の移ろいや自然のリズムを感じさせます。深い黒との対比により、蔦の持つ繊細さと生命力が際立つ印象的な作品です。

○金糸梅(キンシバイ)
凛とした青葉の中に、清らかな白い花々が咲き誇る金糸梅の図。花と葉のバランスが美しく構成されており、自然の息吹と静けさを兼ね備えた一枚です。鮮やかな青の濃淡が空間に瑞々しさをもたらし、見る者の心を澄ませてくれます。
